特集!博多織職人

小川 規三郎(おがわ きさぶろう、1936年、福岡県福岡市博多区に生まれ、1951年より父であり後の人間国宝・小川善三郎に師事する。2003年重要無形文化財「献上博多織」技術保持者に認定。 日本伝統工芸展,日本工芸染色展などで受賞し,昭和62年日本工芸会正会員。九州産業大学名誉教授。

博多織は職人がささえている。

父 小川善三郎
戦後、父が始めた博多織を受け継ぎ今日に至ります。 少量の毒を飲んでも大丈夫なようにというと穏やかではありませんがそれくらい厳しく育ちました。 その後父が亡くなって跡を継ぎました。その頃は帯を担いで行商をしていましたが、まったくといっていいほど売れませんでした。 そこで考え「苦しい・情けないが打たれ強くなる」と、新しい帯作りに取り組みました。 工房屋にいい人がいたこともあり、次第に帯は売れていきました。 「汚くもうけるな。食べていければいい」 私はただ利益をあげることばかりではなく食べていければいいのです。 それからは一生懸命帯作りに邁進していきました。

娘より
「好きなことをやったら」との一言で「もう一度学ぼう」と思い立ち、九州産業大学の門をたたきました。 すると教授や学長とは以前から知り合いであり「ぜひ講師として!」という言葉で、生徒になるつもりが講師になってしまいました。今では教える事が楽しみの一つでもあります。

座右の銘
「わが人生に悔いなし!」です。 黙っていてはダメです。正直者で責任を持つ事、人間を売り込む事、信用をつくる事が大事です。 国宝になって親戚が増え、さらに自分に厳しくなりました。 趣味のソフトボールは40歳から始めました。 ちなみに審判の一種の資格を持っています。

伝承・伝統について
伝承は古く伝統は新しい。
伝承は受け継ぎ伝えていく。
伝統はよきものを上に乗せさらに時代とともに流れていきます。

工芸品について
昔は職人が作ったものを行商人(問屋さん)が広げていました。 昔、織屋さんは170店くらいありましたが、今は40店くらいになりました。 新しいアイデアを出していないので無くなっていくのです。 作っているだけではダメなのです。外に飛び出して情報を得る事、未来を読んでいき失敗をたくさんし、それを補う力をつけていくことが重要です。 しかし同じ失敗を繰り返してはいけません。一度で得る力を身につけることが大事です。 失敗したことを責めてもいけません。失敗しない人は何もしないから失敗しないのです。 失敗を怖がることはありません。

博多織は770年からの歴史の壁をクリアしていますが、努力が足りないと思います。 生き残るためには過去・現在から未来へ、若い人といっしょに年配も勉強することです。 時代を先取り、自然の力を得ることが大切なのです。