鎌倉時代以来780有余年の歴史を誇る博多織は、1600年に黒田長政が筑前を領有するようになってから、幕府への献上品として選ばれ、以降毎年3月「帯地十筋」と「生絹三疋」が黒田藩から徳川幕府へ献上されました。
この献上品としての博多織品質を守るため、博多織製造業者を12戸に制限し、明治に至るまで「織屋株」と称し特権が与えられていました。
廃藩置県の公布とともに「織屋株」は完全に解消し、実力による自由競争の時代に入りましたが、機業数の増加に伴う品質の低下が懸念されたため、それを防止するため、明治13年に博多織会社が設立されました。
これが博多織工業組合の起源です。
このように長年守られてきた博多織ですが、昨今の着物離れ等の影響で、生産量は減少してまいりました。
しかしながら、本来の博多織品質を守りながら、未来へ繋げていくことは私たちの使命であると考えております。
博多織はこれからその歴史を積み重ね、800年、1,000年へと向かって新たな道を歩んで参ります。時代と共に変わらなければならないこと、変わってはいけないことを見極め、先人に感謝しつつ、産地一丸となって精進して参ります。
今後とも、変わらぬご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。
2023年12月
代表理事 原田 昌行